トム動物病院 TOM ANIMAL HOSPITAL

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チャイニーズフィンガートラップ

交通事故でネコが搬入されました。顔面、口腔からの出血と呼吸速迫で生命の危機が迫っています。

搬入してくださったのは2人のご婦人で、道路にゴミが落ちているなと車で通り過ぎようとすると、事故で動けなくなってしまったネコでした。通り過ぎる瞬間、ネコの目と目があってしまった。友人との約束の時間もあったそうですが引き返しネコを保護し連れて来られました。これが12月13日のお昼過ぎです。危険な状態でしたが夜半には呼吸の状態がかなり良くなりました。

レントゲン所見では右肺の気胸が認められました。口腔の状態はレントゲンでははっきりと確認できませんでしたが下顎先端部の骨折が触診で認められました。ご婦人たちは事故現場付近のお店にネコを保護した旨のポスターを配ってくださり、おかげで本来の飼主さんも見つかりました。

ネコの方は呼吸感も良くなり下顎は温存する方が治癒が早いと判断して、その間の給餌を食道カテーテルに頼ることにしました。

そこで、表題のチャイニーズフィンガートラップ縫合でカテーテルが抜けないような縫合をしています。引けば糸が締まりカテーテルを逃がさない。

欧米人から見て中国人(黄色人)は手先が器用に見えたのでそんな名称が付いたのでしょう。

点滴治療から給餌が出来るようになって急速に活力も取り戻しました。

12月24日には自力で採食が可能となり25日にカテーテルを抜き、翌日退院となりました。

お2人のご婦人にいのちを助けていただいた、はる姫ちゃんはお家でお正月を迎えることが出来ます。

 チャイニーズフィンガー

 

 

 

 

 

 

はる姫