今回はワンちゃんやネコちゃんの歯が割れてしまった場合の処置についてお話したいとおもいます。
そもそも犬や猫では、歯冠や歯根の破折(歯が割れる事)は珍しくありません。
調査によると、49.6%のペットで歯の破折が確認されています (Soukup et al. 2015)。さらに、10%の犬では歯髄が露出していることがわかっています (Golden et al. 1982)
具体的な場面としては、骨や棒、鹿の角などを噛む際に外傷を負うことがあります。また、交通事故やスポーツによる怪我(ゴルフクラブやボール、野球のバットなど)、あるいは転倒などの軽度の衝撃によって歯が破折することもあります。
破折は、露出している歯の構造(エナメル質、象牙質、または歯根)や歯髄組織が露出しているかどうかによって程度が分類されます。歯髄が露出していない外傷は「単純性破折」と呼ばれ、歯髄が露出している場合は「複雑性破折」と呼ばれます。
分類
①エナメル質の損傷や亀裂
②象牙質が露出しないエナメル質の喪失
③歯髄が露出していないエナメル質および象牙質の露出
④歯髄の露出が歯冠のみに限定される場合
⑤歯髄が露出していない歯冠および歯根の損傷
⑥歯冠と歯根の両方に関わる場合
⑦歯冠の損傷や歯髄の露出がない歯根の破折
病態
①

②

③
外観
レントゲン像
歯内療法(抜髄根管充填)とは
治療について
歯が割れてしまった際の治療には以下があります。
- 抜歯
- 歯内療法
- 歯冠修復(口腔内レントゲンやCBCTで病変がないことを確認してから)
割れている歯をそのままにしておくと顔から膿が出てくるケースがあります。
また口腔内レントゲン等でないと病変の有無は診断出来ないため、動物病院でしっかり診てもらいましょう。