今回は歯周ポケットについて解説していきます。
歯周ポケットとは?
正常な場合の歯と歯茎の間のスペースは歯肉溝と言いますが、
病的な状態になるとその溝が深くなり、その状態を「歯周ポケット」と呼びます。
歯肉溝と歯周ポケット
②ポケットは付着の喪失により、通常の歯肉溝よりも深くなっていきます。
③歯肉炎により歯肉が腫れて通常の歯肉溝より深くなるのは「仮性ポケット」といいます。
ポケットが深いことのリスク
ポケットが深いと深刻な症状に繋がります。
- ポケットが深いと悪い細菌が存在している確率が高く、口臭の原因になります。
- ポケットが深いと病態がより進行し、骨が溶けてしまうなど重篤な症状につながります。
ポケットの測り方
ポケットの深さを測るのは「プロービング」といい、
プロービングには3種類のやり方があります。
わんちゃん、ねこちゃんのプロービングは麻酔をかけないとできません。
しかし、麻酔をかけるならば口腔内レントゲンとプロービングは必ず実施してもらうべきです。
Circumferential法
- プローブを円周に沿って動かします。
- ポケットの形態を把握しやすが、苦痛を与えやすいです。
- 付着を傷つける可能性もあります。
Vertical point法
- 毎回プローブをさします。
- ポケットの複雑な形態を見逃す恐れがあります。
Walking法
- 中間的なやりかたです。
- プローブの先端を根面に沿わせて上下1~2mm間隔で動かしながら実施します。
- プローブ先端を歯肉から出さずに移動させます。
- 当院は基本はこのやり方で測定しています。
実際のプロービング
当院では、8倍に拡大すると見える数字が付いているプローブで歯周ポケットを高い精度で測定しています。
当院の実際の歯科カルテ
ポケットの評価はとても大事
- 麻酔をかけたスケーリングはもちろん大事です。
- その前に、麻酔をかけた口腔内レントゲンとプロービングによる診断が非常に重要です。
- せっかく麻酔をかけるならば、しっかりと口腔内レントゲンとプロービングをしてもらえる病院で行ってください。